はじめに
https://circlearound.co.jp/2020/04/10/covid19/
こんな感じで、弊社は2月から完全テレワークにシフトして、皆がリモートで仕事するようになりました。 もともと週に何日かは気まぐれにリモートしていた(私が率先してやっていたので、皆必要に応じてやっています)ので、導入自体はスムーズでした。 とは言え何の課題もなくうまくいってしまったわけでは無いので、その流れや対策を記しておくと参考になるかなと思い、書いておきます。
前提
- 弊社の場合一人暮らし男性が大半で、嫁子持ちもいたりします。
- 少人数チームです。たまたま開発の業務委託メンバーがいない時期だったので、社員3名+私で4名チームです。
- 弊社事業にはシステム開発とプログラミングトレーニングがありますが、主にシステム開発文脈で記します。
情報まとめ的な対応
とりあえず、個々人の知識を寄せ集めて対策して行くのが良いと思ったので、知識共有の場所を作りました。
「快適リモートワークのための工夫」という文書
以下のような内容をメンバーが自由に編集しています。新しい体験や思ったことがあれば書いて大丈夫な場所です。主に以下のような幹でまとめています。
- 机椅子のような「設備系」の話
- リフレッシュ方法や食生活についての「行動系」の話
- そもそもの物事の考え方や受け止め方についての「マインド系」の話
あまり堅苦しく考えていないので「ドアの前に置いて帰ってくれる宅配業者リスト」とか、「交代浴的な風呂の入り方」から、気晴らしのエロ系の話(これ書いてるの私だけですけど)まであります。もしも女子メンバーが関わるようになったら適切な情報が適切な方の目に触れるように、人知れず綺麗に整理される予定です。
Slack上の #remote
チャンネル
特にコンテンツにまとめるレベルでもなく、何となくお得な情報があるよ、とかは #remote
チャンネルに緩く書いています。例えば「新しい設備でこれ買ってみた」とか「弁当を作ると色々良い」とかコミュニケーションします。雑に貼ると以下みたいなやりとりしたりしてます(会話が飛んでたのと、メンバーのアイコン出ないように切り取りました)。未だに私は運動が定着しません。オラもリングフィットしたいぞ!
それでも起こる個別の問題
私のように15年くらい前からカフェで仕事したり家で仕事したり、一年くらい家でコードばかり書いた経験のある人間は色々と慣れもあります。でもメンバーの殆どはそういうやり方に慣れていないので、ただ文書を共有するだけで解消できない問題も出ました。結果的に工夫を相談してそれをさらに文書に落としたりしています。
「家だと集中できない」
とりあえず筆頭がこれになるのでは無いかと思うので、まずはこれを。雑談交えて会話して解決していきました。
私がたまに皆と話す内容に「脳は実は簡単に騙される」というような話があります。その応用でもう少し具体的に落としました。「仕事はデスク、くつろぐのはベッド」などと分けるだけでわざわざ書斎を持たなくてもできたりするのです。
ノートPCを持っているなら移動できるので、これを手軽に行えますし「くつろぐときはスマホしか使わない」と決めたりするのも手段の一つでしょう。以下は「快適リモートワークのための工夫」からの抜粋です。
家だと基本的に集中できないのは、家が休む場所だと脳に刷り込まれているため
- 場所を変えるや視覚的に休憩スペース/作業スペースを分けるようにするなど工夫の余地はある
- これは前話したかもしれないけど、場所と行動を結びつけるのが大事。ちゃんとしたデスクの前は仕事モード、そうでなければベッドの上でくつろぎモードとかメリハリつけると良い。脳は簡単に騙せる。
最初のお前を騙せ、世界を騙せ
この件はそれぞれ実践している様子ですし、少し長期で見ないと効果がわからないかもしれませんね。半年後くらいから大変になってくるので、まだまだ楽な時期です。
「なんだか体調が優れない。原因がよくわからない。手足が冷たい。眠りが浅い。」
慣れない人が家に引き篭もっていると陥りがちなのが「病気でも何でもないんだけど体調が悪くなる」というものかと。睡眠時間がメチャメチャになったり、いつも頭がボーッとしたりします。自律神経がうまく調整できなくなっている為だと推察されるので、本当はサウナ&水風呂を勧めたかったりするのですがこのご時世だと難しい。
なので、以下のような家のお風呂でやる簡単交代浴を勧めました。実際やってもらって随分体調が安定したそうです。よかった。文書には他にも運動とか、朝日を浴びる、みたいなことが記されています。
- 風呂
- 交代浴のススメ
- 十分湯船であったまったる(温度を最初から熱めにしておくのが良いです。ぬるいと水で死にますw)
- 水or水に近い温度のシャワーを手足、胴回り、肩など末端から順番にあてます。この時辛かったら手足だけとかでも十分です。水を止めた時に体温が一気に戻って来すぎるならもう少し当てると良いです。
- 体の水分を切ります。小さなタオルで拭くか、体の表面を手刀でビシッとするだけでもかなり良いです。
- しばらく洗い場でのんびり過ごします。私の場合には湯船のヘリに腰掛けてボーッとしてます。この時寒さを感じないのがうまく行っている。寒いなら水をかけすぎ。寒すぎなら風邪引くので湯船に入りましょう。
- 体が段々平常時の温度に近づいて来たら湯船に入ります。
- 2-5を3セットくらいやる。
- 最後は水をササっとかけるくらいで上がります。かけすぎると風邪ひきますw
- すぐに水分をタオルで吸い取って、暖かい部屋でだらだらしてください。ベッドに倒れ込んで良いです。多分そのまま眠れるので注意してください。
会話したーーーい!!
「テキスト中心の会話ではニュアンスが伝わりにくい」
「テキストではコストがかかるので会話したい」
「世間の不安感を孤独に受け止めるのは辛い」
みたいな、根本が「とにかく会話したいんだけど、どうにかならないものだろうか」という話。これについてはzoom 繋ぎっぱなしの社内もくもく会をやった時に「zoomなどだとあまりに顔が大写しになったり、部屋が見えたり、他にも突発的に映っちゃいけないものとか無いか心配になって緊張する」という学びがありました。
ここはツールを工夫しないとダメかなと思い、私の理想の「繋ぎっぱなしテレカンツール」を作成することにしました。主に以下のようなことを実現しています。
- メンバーの顔は基本的にぼやけている「あ、いるな」とわかる程度
- 音声はかなり小さめで繋がっていて「近づく」「離れる」という機能で音量調節できる(オフィスでデスクに近づいて「ねぇ、ちょっと...」と話せる感じ)
- 部屋の全員が小さい音で会話を共有しているので、遠くで誰かが相談している内容が横耳に入ってくる為、「あ、それってさー」と、割り込むことができる
https://voffice.netlify.app/?room=sandbox
のような、簡単なURLを共有することで同じ部屋に入れる仕様です。この入るまでの手軽さも大事で、朝誰かがSlackに「今日の部屋」を共有しておけばあとは皆が適宜入ってきます。特に義務はないので、独りで集中したければ繋がなくて良いですし、休みの日でも「誰かと話したいなー」と思えば勝手に部屋作って繋いで良い運用にしています。zoomほど有名じゃ無いので、room名を総当たりしてくるような輩も今の所いないです。
テレカンツールを繋ぎっぱなしにすると監視されると思う人が世の中にいる様子ですが、弊社はリモート始める以前から
「監視するのなんて面倒だから放っておくので成果出して欲しいし、なんでも困りごとがある時には私に自分から相談して欲しい」
という形でコンセンサスを取っています。なので相談があればvofficeに私がいれば近づいて話しかけてくれるし、そうでもなければ繋ぎっぱなしで遠くで自分の仕事してくれています。入ってきても特に挨拶も無くても良いかなとさえ思ってます(ここは人それぞれのポリシーに任せていますが)。
このツールができたおかげで、対面で話したいという意見は出なくなりました。むしろこれでずっとリモートでもいけるような実感を得てくれたようです。ここは思い切ってコストをかける判断をしてよかった。HTML/CSS/JSしか使っていない為、httpdさえあればすぐに使えます。GitHubでソース公開されているので興味あればどうぞ(AGPLです)。うまく動かなかったらPullRequestください。
おしまいに
こういう時だからなんでも我慢しろ我慢しろと言ってもお互いツライだけです。様々な方法で工夫して、ストレス減らしながら乗り切っていきましょう。