はじめに
弊社のチームトレーニングの中で伝えるようなことと、現場でチームを率いるリードプログラマーとして、経営者としてのいくつかの切り口を混ぜて「こうあってくれたら嬉しい」「こういうことを期待している」というのをまとめてみます。
適切なタイミングで質問できているか意識してほしい
- 抱え込んで質問できない人
- 考えないで質問してしまう人
どちらの極端も困るのです。ようするにバランスなんです。このあたりのバランスを崩している人は以下のようなことを日々言われているのでは無いでしょうか。
- 「どうして相談しなかったの?」「早く聞いてよー」「今まで何をやっていたの?」
- 「調べた?」「試した?」「読んだ?」
例えば私がよくやるのは「15分悩んで手が動かせない時には何か欠けている情報や経験があるから、誰かに相談したほうがいい」というようなことを伝えます。この15分は最短の時間で、この時間を相手の成長に合わせて伸ばしていきます。この手の「質問タイミング」について一緒にやっている先輩と相談するのは良い試みだと思います。
「実は適切に質問するのは結構難しい」と思ってくれたら一歩前進かもしれません。
「タスクの完遂」の前に「成長の機会」と捉えてほしい
「なんでもいいから言われたタスクをこなさないとクビになるかもしれない」 と思ってしまう瞬間があるかもしれませんが、行なっている業務がプログラミングであるなら(ロジックを書かない他の業務だと違うかもなので一概にそうだとは言い切りませんが)よほど酷くない限りそんなことはありません。もしもそういう強迫観念にかられて
「振られたタスクの内容と似たようなことをしているコードがないか、ソースを探してコピペする」
という行動をしていたら黄色信号です。もちろん参考にするのはありなのですが、理解しないでコピペするだけの行為ではいつまでも成長がありません。こういう行動を続けてしまうと、一年経っても同じことしかできない可能性があります。それはとても困りますよね。
タスクを完遂する中であなたの成長があることを期待されています。それはコードの書き方だけではなくて、質問の仕方や調べ方など、全方位的に可能性が広がっています。タスクをこなすごとにあなたのやれることが適切になっていっていれば、それはおそらく現場から望まれていることです。
ちなみにこういう「今望まれていることは何か」を発信してくれる現場とそうでない現場があると思います。こういう点についてコミュニケーションしてみるのは良いことかもしれません。
できれば長く付き合ってほしい
これは特に中小企業の経営者からは切実に望まれていることだと思います。その背景を以下に書いてみます。弊社は今の所この心配があまり無い状態ではありますが、気持ちとしてはこんな感じです。
あなたは最初からプラスの存在ではありません
多分大抵の人は気づいていると思いますが、最初からいきなり利益が出せるような働きができることなどまず無いです。もしも軽快にタスクがこなせているとすると、それは誰かのフォローや適切な対応の結果によるものでしょう。以下はその一例です。
- タスクが「誰かによって」適切に分解されている
- 適当なレベルのタスクが「誰かによって」選択されて担当させてもらえている
- 補助的な知識の補足が「誰かによって」うまいことなされている
「誰かによって」と出てきていますが、端的に言うと「これを誰かがやってくれている時点でそこそこコストがかかっている」ということになります。だから自分がスイスイこなせている場合でもトータルでプラスになっているかは疑わしいのです。
マイナスなのにどうして置いてくれるの?
ちゃんとした経営者ならそこそこ長い目線で物事を考えています。例えばあなたが一年以上かけて成長した先に、これまでのマイナスを取り返してプラスになってくれることを期待しています。多くの経営者にとってこれは 投資
なんです。投資をして数年後に取り返す、ということを想定しています。
回収できないなら次は行えない
あまりに簡単に短期間で離脱されてしまうと、それまでかけたコストが回収できないので同様の施策を行うことに臆病になります。結果として「現場未経験の人を雇うのはやめよう」という判断になる可能性もあります。この事実をどのように受け止めるかは個人の自由だと思いますが、少なくともそういうことを知っていて欲しいと思っています。
もちろん本当にひどい現場もあるので、そういう場所は早く離れて正解だとは思います。
おしまいに
最初の仕事の現場は大切にして欲しいと思っていますし、雇用のミスマッチがなるべく発生しないことを切に願っています。成長して卒業して行くのは当然起こりうることだと思いますが、得るべき体験が得られる方が皆にとってハッピーかなと思います。