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島までは遠い

佐藤正志@サークルアラウンドのことが少しわかる場所。プログラマーを育てるトレーナーとして、現役のソフトウェア技術者として、経営者の端くれとして、想うことをつづる予定。しばらくは工事中。

古い友人との話。振り返ってわかること。

f:id:ms2sato:20160821093835j:plain 盆休みでもあったので、旧友Sと一杯飲んできた。彼は関東にいるけれども少し遠くにいるので、最近はお互いの中間の都市で待ち合わせて飲んでいる。

私の人生の中で学生から社会に出る数年の間、一緒に最も多くの酒を飲み、最も多くの馬鹿話をした相手だ。下手すればこの時期は家族よりも過ごした時間が長いかもしれない。

最近はお互い歳をとったのか、今だから言えることのような話も出たりする。その中での話。

「でもさ、サトちゃんみたいなヤツだから今社長とかやってるんだろうね。」

「?」

「高校の頃とか、Iみたいなカリスマのある奴っていたじゃん?でも彼らって『そこに組織があるから選ばれやすい』タイプだと思うんだよ。」

「ふむ?それってどういうこと?」

「俺とかお前ってあの当時基本的には二番手ポジションだったけど『俺はこうだ!』って常に出し続けてたのはサトちゃんだなって思ってさ。俺とかそうでも無いし。社会に出たら組織が無い所から始めない限りまずトップにはならないんだから、『俺はこうだ!』って出せなければ何も始まらないと思うんだよね。カリスマのあいつも組織の中で登って行くタイプなんだなって。」

「あぁ、そっか。そんな気もする。」

「だから今こうしてるのは結構当たり前な感じがするんだよ。」

こいつはいつもそうだ。こちらからは見えないどこか高い目線から俯瞰したことをサラッと言ってのける。忌々しいヤツだ。私は過去カリスマに敬服して喜んで二番手三番手を続け、社会に出てからもどこかで私を屈服させる存在に出会えることを期待した。そして出会えなかった。だから結果的に今の場所にいると思っていた。ひょっとしたらそれはちょっと違うのかもしれない。

いつも新鮮な切り口でモノを語ってくれるから、こいつとの時間は貴重なのだ。一時間やそこらの時間をかけて会いに行く価値のあるヤツだ。

「サトちゃんはこうやって時間作り続けるの偉いよな。」

「俺には家庭がないからだよ。奥さんや子供がいないからできるんだ。」

「10代や20代なら時間有り余ってるし、時間作るとかみんな言うけど、40になって仕事も忙しいのにそうそうできないって。大抵ついでがあるからやってくれたりするもんだ。」

「優先度はあるよ。Sはそれだけのモノを俺にくれているって事だ。」

「そんな感じはしないけどなぁ。」

私が受け取っているもの(と、ちょっとした嫉妬)を彼はあまり理解していないのかもしれない。だが、それは大きな問題ではない。 出会った人の印象や状態は年月と共に変わる。その中で、この人には時間をかけたいとか、それだけの価値があると思える事にはあまり妥協しない方がいいような気がする。

中には時が止まっている願望に囚われていたり、関係が変わって欲しくないと思い続けている人がいるかもしれない。でも、変化を許容し、その上で価値を見出し続けられる相手にこそ時間をかけるべきではないか。「過去の一時期、同じ場所にいた」それだけではないから長く続く関係が築けるのだと思う。

Sの奥さんも呼んでくれているそうなので、今度はやっと一歳になる彼の子供に挨拶がてら遠征するのも悪くないな。