島までは遠い 〜サークルアラウンド株式会社代表佐藤のブログ〜

佐藤正志@サークルアラウンド株式会社のことが少しわかる場所。プログラマーを育てるトレーナーとして、現役のソフトウェア技術者として、経営者の端くれとして、想うことをつづる。

Googleが抱える問題(と、私が思っていること)

はじめに

qiita.com

からのこれ

anond.hatelabo.jp

この話自体については私は以下のような意見です。この記事は別の切り口で書いておきたいです。

問題は書き手側にあるのではなく、Googleにある

「ゴミ記事」かどうかを判定してフィルタリングするのはGoogleとそのユーザーの責務です。

他の記事でも書かれていましたが、私もこの意見には賛成です。そして、だからこそ気になっていることがあります。

私たちの仕事は検索をして適切な情報に辿り着くこともスキルの一つに数えられます。つまり検索が一般人よりも上手なはずの専門職なんだと理解しています。そういう私たちの仲間ですら「適切な情報が手に入らない」と考えているとすると、専門職ではない一般の人からすると「もはやどうやっても適切な情報にたどり着けないことがあるのではないか」という事です。

少し前に WELQ の記事に関して大きく問題になったことを思い出した人もいるのではないでしょうか。それによって改善もなされたと記憶はしています。ですが同様の問題がずっと続いている様に感じています。以下のような記事でも結果的に変わっていないというような論調で終わっていました。

seo-lpo-consultant.com

最近の他の例

medit.tech

ノーベル賞の話に関連して出てきていた記事ですが、検索ワードによっては虚偽と誤解を与えかねない情報で溢れていると指摘されています。私は対象となっているワードを検索した結果を見ましたが、正直申し上げてどれが虚偽や誤解を与えかねないのかわかりませんでした。もし当事者になってしまったら、検索の上位のものは間違い無いのだろうと思ってしまうはずです。

技術記事については私たちは一次情報へ当たることが比較的容易で、ソースコードを読んだり実際に試したりすることで虚偽は判断できます。上記の様な自分で試すこと自体が困難であったり、不可逆なことに関して玉石混交の中から選別するのは大変困難だと考えています。

同様の話は、以下のようなところにも見受けられます。

megalodon.jp

megalodon.jp

プログラミングスクールについてです。どうやら最近はアフィリエイトの記事が大量に出回ってしまった為、自身に合うプログラミングスクールを検索で探すことが大変困難になっているそうです。プログラミングのスクールは一般的に高額なので、一度試してみようというやり方で虚偽を判断することが大変難しいことの一つだと考えます。

これは想像ですが、違約金を高めに設定すれば受け始めてから良く無いと思っても、抜けられない問題があると思います。

フォークソノミーとタクソノミー

もう死語になってしまいましたが、Web2.0 時代を見てきた私にとってこの課題はフォークソノミー・タクソノミーという言葉を思い出させます。

用語解説辞典|【公式】NTTPC

ザックリ伝えると以下の様な感じでしょうか。

  • タクソノミー: Googleの検索などのように機械的に分類され、分類の結果に一般ユーザーが関与できないもの
  • フォークソノミー: はてなブックマークのように人がタグやコメントで分類し、分類の結果に一般ユーザーが関与するもの

今タクソノミー的なGoogleの検索結果があまり有益な結果を運んでこないとすれば、フォークソノミー的なアプローチを混ぜた別のあり方を模索したくなります。

私のやってみたいこと(妄想)

プログラマー向けは別のアプローチもありますが、一般向けならGoogleのSearchAPIを使って検索結果を出し、その結果をフィルタできるシステムを作ってみたいですね。たとえば以下の様なフィルタを用意します。

  • 正規表現で特定のURLやドメインを含むサイトを弾く
  • 特定のURLに対して + or - の信憑性評価ができて、多くの人がどのように捉えているかがわかる
  • ユーザーに対して特定の専門分野への特異性の重み付けをつけられる(たとえばガンに詳しい医師の方が + をつけるガン関係の記事は有用であると考えられる思います)

誰でもフィルタをつくれますが、フィルタはフォークしていくらでも複製可能かつ全て内容がオープンにされており、透明性の高いものとして機能するようにします。ソースコードもオープンで良いと思います。この仕組みは作為性が疑われると崩壊するからです。

他にも妄想はありますが妄想で埋めても微妙なのでこれくらいで。

おしまいに

Googleは毎日利用させていただいている素晴らしい検索エンジンだと思っています。ただ、それを逆手にとって自分の利する形を作っている者がいるという現状の様子です。個人的にはこういう課題は人が必死に何かをするようなことではなくて、そのシステムの改善が必要ではないかと考えます。

ちょっと時間できたら色々作ってみたいものです。

本当はこういうものをビジネスに昇華できればもっと多くの時間をつぎ込めるのでしょうが、皆にとって利益のあるものを作ろうとする時、その結果会社や個人にお金が入る形を考えると公平性が失われるのでは無いかと考えてしまうところがあります。いい手は無いものか。

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