島までは遠い 〜サークルアラウンド株式会社代表佐藤のブログ〜

佐藤正志@サークルアラウンド株式会社のことが少しわかる場所。プログラマーを育てるトレーナーとして、現役のソフトウェア技術者として、経営者の端くれとして、想うことをつづる。

今期ももう折り返しです。あと半年(会社編)。

はじめに

ms2sato.circlearound.co.jp

の続きです。最後は会社について。

会社について

個別トレーニング

ぼちぼちな成果でしょうか。「特別大人気ではありませんが、全く見向きもされない事もない」という状況です。

このあたりに顛末を今後も綴ろうと思います。なかなか内容や成果が見えにくいところなので、少しずつでも情報を出せるようにして行きたいです。また、卒業や進級してゆく人たちの後押しになると良いと考えています。

私のイメージとしては、単純に一回鍛えて終わりではなく、その後もゆるく繋がってゆける環境が残せたら素晴らしいです。昔の武術の道場のような形に近いものを目指したいです。同じ文化を共有している同士(同じ流派とも言えるかもしれません)がいいコラボをできるような場が提供できればと妄想しています。

現実に少しずつ繋がってゆく形ができていると思うので、今後も楽しみです。

法人向けトレーニング

circlearound.co.jp

良いご縁をいただき、法人向けのトレーニングも行わせていただきました。もともと私はOJTからトレーナーをスタートさせている事もあり、とても楽しんでできました。基本的には会社から言われてやっているような方ではなく、技術力を高めたいマインドがある人たちに伝えていきたいので、そういった機会には今後も挑戦して行こうと思っています。

私の方で面接をさせていただくなど、質を高めるアクションをさせていただければありがたいです。

自社サービス

個別トレーニングでチーム開発をしたいという方に向けて、弊社自社サービスの開発に参加することを提供しています。実際の開発に加わることでGitHub-Flowを学び、今現場で行われている最新の手法を頭にインストールできます。ただサンプル的なサービスを作るのでは面白く無いので、私が日常的に利用できるものや、トレーニングの真髄をWEB上で再現するもの等が出来上がりつつあります。

受託業務

あるスタートアップの受託(リモート)をやったり、小規模なサービス開発の受託(持ち帰り)を請けることは続けています。私自身が現場に立ち続けることで、その知識をトレーニングへフィードバックし続けることが、弊社サービスの質を常に向上し続ける根幹であると捉えている為です。

トレーニングを卒業した後、即現場に立てそうな人であればお互いの同意の下、一緒に受託開発をするのは良い形であると思っています。先に自社サービスで十分チーム開発をしてから戦場に立つので、スムーズに移行できると想像しています。

(番外)ピクニック出社

「どこで仕事してもいいのだから、外でもいいよね」ということで、春や秋の過ごしやすい日には近所の公園でレジャーシートを敷いて仕事をするようなことを試しました。いつも部屋の中では息も詰まってしまうので、こういったことも挑戦していきたいです。

(番外2)シェアオフィス兼コワーキングの活用

一つの会社のメンバーが集まっているだけだと何かと閉塞感が出やすいと思いますが、現在はシェアオフィス兼コワーキングスペースを提供しているCASE Shinjukuさんへ入居している都合上、常に外部の方との場の共有が存在していて、風通しが良くなっている気がします。

業種が様々だったりするので、IT畑ばかりで固まらないイメージでいられるのも興味深い場所であると思っています。最近ここにゲストを連れ込みまくっているので、本当は二人しかいないのに無駄に盛り上がって見えている賑やかしが弊社のポジションです。

まとめ

個別トレーニングが中心になって、自社サービス、受託開発と、他の事業との連携が生まれています。どこまで行っても「人が成長し、育った人が活躍する」為のアクションを繋げているだけなので、多くのことを行ってはいますが伸ばす方向は定まっているはずです。

特にスタートアップの受託は本当に猛者と呼べるような人がいらっしゃったりするので、私自身もとても勉強になり、こういったもはや私だけでは辿り着けない高みを見ている人との仕事から、トレーニングへ一層フィードバックしていきたいです。

そんな経験からも、今後もトレーニング事業が拡大するシーンがあろうとも 「トレーナーは現役の現場で活躍するプログラマである」 というところを維持できれば良いと思っています。私のトレーニングのイメージはOJTなので、OJTの外注を受けるのが弊社のポジションであると認識してます(法人向けであればまさにOJT。個人向けであれば現場体験のようなところでしょうか)。

おしまいに

弊社の今を様々な切り口から度振り返ってみました。前半の種蒔きフェーズが終了しつつあるので、期の終わりへ向けて刈り取りをしていきたいと思っています。様々な方面からお問い合わせを頂いておりますので、いろいろとモノにしていきたいところです。

今後ともよろしくご贔屓に!

一歩目を踏み出した人を応援しよう。過去のあなたもきっと同じだった。

f:id:ms2sato:20151125004600j:plain

yakst.com

素晴らしいエントリです。これを読んで感じたことを記しておきたいと思います。

まずは楽しみを応援してあげること

彼らには、プログラミングのとりこになるのにかけて、まずは何かを(何でもいいんだ!)学ばせて挙げよう。それから、彼らに現実を見せてあげればいいのだ。

そうなんです。拙くても良いですし、テクニカルではなくて良いんです。そしてもしも何かが動いてたら「おお!すげぇ!」って一言伝えてあげたら良いと思います。みんな初めてのシステムが動いた日のことを忘れてしまいます。過去の自分と同じ体験をまさに今している人をどうして貶すことができるのでしょう。

自分が初学者だった時にいて欲しかったような先輩に、私はなりたいと思うのです。

そもそも言語や環境をDisること自体に意味がありません

とかく「あの言語がxxだ」とか「あのフレームワークはxxだ」とか言う人が多い業界だと思いますが、そんなことで喧嘩することにはあまり意味がないと私は思います。やりたいことや学習の傾向に合った言語や環境はあるとは思いますが、普遍的なものなど無いはずです。PHPもRubyもJavaも、もちろんXも(Xにはあなたの好きな言語を入れてください)、長所短所があるだけですよね。

自分の手に馴染んだ道具で作ることも素晴らしいですし、新しい言語や環境にチャレンジすることも大切なことです。プログラマーとして歩み出したら、すぐに2-3の言語は使うはめになると思います。最初の一つが決定づけてしまうことなど殆どなくて、結局複数やってみて選ぶ時期があるはずです。楽しいと思えたら、複数浮気していくのも楽しめますよ。新しい言語はワクワクします。

成長しながら使い分けて行けば良いだけです。

私のことを言えば...

最初の言語はBASICでした。VisualBasicではなくて、BASICです。MSXをテレビに繋いで、autoを使って行番号を自動的に作りながらコードを書いていました。今私はBASICを使うことは全くありません。どこで使えばいいのかもわかりません。ですがBASICは私にロジックの書き方や考え方を教えてくれて、何よりプログラミングの楽しさを教えてくれた大切な言語です。

私はあの時感じた「うぉぉ!動いた!」という感動を一人でも多くの人に感じて欲しいのです。 それは本当に熱くなれる体験なんです。

世代の断絶を防ぐことが知識の継承に繋がるのかもしれない

blog.tinect.jp

ここで言っているのが経営者の様子なのでしっかり主題を捉えられているかちょっと難しいですが、ここ最近私に相談してくれた方の内容に似たようなケースが複数ありました。プログラマとしてキャリアをスタートして、その後マネージャとしてある程度のキャリアを積んだ方の中に、下記のような状況の方がいらっしゃる様子です。

  • 最近の開発のトレンドはキーワードレベルや概念レベルでは理解している
  • 実際に実践するレベルでは理解できていない
  • 現場の人達を自ら育てることがちょっと難しい

私と同じくらいの年齢かそれ以上くらいの方なので、業務系の開発が多かった時期にキャリアをスタートして、その後WEB系の流れが目立ってきた頃には現場を離れてマネージをしており、最近WEB系の現場を見るような立場になった、というような足跡である様子を伺っています。

  • GitHubや外部のCIを活用するような開発
  • クラウドを利用するインフラ
  • アジャイルな開発

というようなところがネックになる様子です。本来は世代の隔絶が無ければ少し上の先輩が間を埋めてくれると思うのですが、これが問題になるような場ではその間の世代が何らかの理由で抜けてしまっているのでしょう。

組織で物事を進める際のアドバンテージの一つは「集団でいることによる過去の知的資産の継承」だと思うのですが、それが難しくなっているということかと思います。工夫すれば現場の若い人たちが自ら学んでいく形を推進して物事を進めることができそうですが、これでは求められているスピード感に追いつけない、という事も多いのでしょう。

ノウハウの陳腐化が加速した結果だと思うのですが、ある程度世代の断絶を防ぐことがこういった問題を防ぐことに繋がりそうに思いました。組織は少人数で組み立てたいですが、このような視点も大事かもしれないと感じました。