はじめに
弊社のSlackには reports というチャンネルがあるのですが、ここはいわゆる週報を書く場所です。現在では毎週月曜日に皆がこのチャンネルに週報を投稿しています。KPTという形式はもうおなじみになっていると思いますが、弊社の週報もKPT形式で基本的に書いてもらっています。
日報でもなく、月報でもなく週報の理由
たった一日で「振り返り」というのは結構しんどいと思うんです。KPTの良いところは「振り返ることで差分がわかる」事なので、適切な差分がわかるだけの時間は必要です。ただ、月報にすると「もう月初のことなんて忘れた」となってしまうことが多いはずです。
さらにマネージャ目線では少しずつ軌道修正ができるような時間幅が良いのです(「先週のあれ、どうなった?」くらいの感覚が持てるのが良い)。なので「週」くらいが長過ぎもせず、短過ぎもしないと思います。
内容は?
ほぼノージャンルです。もちろん業務のことが全くないのは困りますが、生活習慣の話(これも広義には仕事をうまくやるために必要な事だと思います)や、「個人開発やってるよ」的な軸からの気づきや内容でもOKです。
なんとなくですが、メンバーがそれぞれ少しずつ良くしたいことや、困っていることがここに現れる気がします。それが改善するなら結果的に仕事もうまくやっていけるのではないでしょうか。なので「業務以外の話題は完全にNG」などとする気はあまりありません。
KPTが優れている点
とかく日報・週報はただの記録だったり感想だったりと意味のないものになってしまいがちです。書く側も読む側も意味を感じられないならやめた方が良いです。時間の無駄ですよね。
そんな中でKPTは仮に1人で利用すると考えた時でも、以下のようなところは良いと思います。よく言われていることでしょうけれども書いときます。
- 自分で自分の行動を見直す自省のフォーマットであること
- PとTが「今の問題とその解決」なのでワンセットで考えやすいこと
- 前回のTと次のKが「前回の反省からのアクションが効果的だったか」を測って「繋ぎになっている」こと
KPTにコメントする時のマインド
メンバーが行っているKPTに私はそれぞれコメントします。ここでやるのは
- PからTへの問題の発生と改善についてのその人の思考を理解する(私から見て正しいかではなくて、その人の改善の癖を見るような気持ち)
- Pの過去体験に覚えがあれば寄り添っておく(この寄り添いは次のT候補への枕みたいな感じによく出る。大抵私も体験したから候補を挙げたくなる)
- Tの候補として自分がやりそうな事があったら挙げてみる(別にやってくれなくても構わなくて「足しになれば」くらいの気持ち)
- 前回のTと今回のKが繋がっているか(最近は見なくなりました。大体みんな繋げて改善してくれている気がするので)
- 「そのまま改善進めて欲しい」と思ったらそれを伝えて面倒なことをクドクド言わない(途中から単純に応援しておけば良い気がしました)
これくらいですかね。大抵の私の接し方がそうなんですが、私の思い通りに行動してもらうための発言やアクションはあまりしない気がします。「提案はしてみるけれども、受容されないならそれもまぁ仕方ないね」くらいに考えている節があります。別に良いんですよね。最終的にその人の方法で改善できているなら。
「ちょっとツッコんで聞きたいな」「気になるな」という時
週報トリガーで呼びつけるとかしないです。緊急度が高いことなら各プロジェクトのチャンネルで相談くれるはずなので(そもそもこの状態にチームがなっていないならその方が問題ですよね?)、週報に書かれることは「即問題にはならない何か」、「長期的に立ち向かった方が良い課題」、「個人的なこと」なんですよ。それくらいのことで呼びつけられたら萎えますよね。
なので、フワッと覚えといて、何かコミュニケーションのついでに「そう言えばKPTに書いてたけどさ〜」的な会話をする感じです。私は定例MTGが嫌いなので、定例1on1などやったりしません。そうすると何かの業務のついでに行われます。多いのは技術の問題を一緒に解決した直後とか、デプロイを一緒に待っている時間とかですかね。相手の方からその感じで話してくれることもあるので、そうしたら乗っていくだけです。
結果よくあること
そうやって話を聞く機会ができてくると、折を見て一緒に掘り下げていくような雰囲気になります。
大体皆が抱えている問題は、自身のものの考え方や、特定の感情を持ってしまう性質に落ちてきそうです。例えばですが
- 物事を丁寧に進めようとするあまり、期限に間に合わなくなる
- 逆に素早く終えようとするあまり、品質が悪くなる
- タスクが複数進行していると気が散ってしまって全体のパフォーマンスが落ちる
- 周囲からの評価が気になり過ぎて不安になってしまう
などなど。なんとなくこういう場面で「相手の心に届く一言」が伝えられるかはとても大事なようです。それは比喩のようなものかもしれないですし、方法の話かもしれないし、哲学的な話かもしれないのですが。たとえ届く言葉が伝えられなかったとしても、一緒にその人の芯の課題解決を目指し、扉を一つ開く手助けができるのは信頼も獲得する気がします。
先にも書きましたが、この時「会社や私に都合の良い振る舞いをして欲しい」という目線ではなく「その人の枷が外れてパフォーマンスが上がるのは相手にとって良いことだ*1」という観点での接し方が大切ではないかと考えます。
この辺りの会話からその人の取り組むべき心理が明瞭化されるのは良い傾向と思っています。物事が明文化、明瞭化が進むと解決がしやすくなるらしいです。
「振り返り」を振り返る
続けていたら面白い現象が起こったので紹介しておくと、何年か前の自分のKPTを見返すと結構なショックを受けることがあるそうです。「あの頃、こんなくだらないことを自分の課題にしてたのかorz...」的な心理になるそうで、それはそれは破壊力が高いようです。ただ、そう思えたということはその人は課題を克服したわけですから、成長の証なんですよね。喜ばしいことだと思います。
*1:私の場合は彼らの給与も決めているので、この観点でも彼らの待遇は上がったりします。個人のパフォーマンスが上がれば結果的に会社には都合が良いのですから。