島までは遠い

佐藤正志@サークルアラウンドのことが少しわかる場所。プログラマーを育てるトレーナーとして、現役のソフトウェア技術者として、経営者の端くれとして、想うことをつづる予定。しばらくは工事中。

今期ももう折り返しです。あと半年(新メンバー編)。

はじめに

弊社は5月が期の初めなので、既に期の半分を過ぎてしまいました。そこでこれまでの振り返りを行ってみたいと思います。幾つかの切り口でまとめるのが良さそうです。

  • 人について
  • 会社について

くらいの二つの切り口でまとめようかと。まずは人についてから。

新メンバーについて

「メンバー個人の成長こそが会社の成長につながる」という考え方の弊社にとって、4月から新卒で入った齋藤の成長は今期・来期以降の鍵になるファクターであると位置付けていました。新卒社員がいきなり大きな成果を上げることは困難であると考えられるので、下記にフォーカスを当てて進めました。

  1. 高い能力を身につけなくともできることでの小さな成果の獲得
  2. 一点集中で能力を高めればできることでの成果の獲得
  3. 高い能力に繋げるための基礎体力作り

以下はそれぞれ起きたことです。ほぼ時系列ですが、適当に前後しています。

ブログによるSEO

まず1に該当することとして、プログラミング相談所のブログを毎回書いてもらうことにしました。記録を残すという事は派手さはありませんが、実績を残す上で重要であると判断したためです。当初はそこそこのPVを稼いでくれて、少し先につながれば良いと考えていました。

結果は予想を裏切る大当たりでした! WEBプログラミング トレーニング - Google 検索 というようなワードで弊社のトレーニングページが検索上位(書いている今トップです!)に来ているのは、ブログで丹念にリンクを続けた事も要因の一つだと思います。これのおかげでインターネットの問い合わせフォームからの流入も得られるようになりました。

ただ「ブロガーになる気は無いです」という彼の言葉を汲んだのと、技術を鍛えることの優先度が高くなった為、一定の成果を出した後は外部の方に記述をお願いしています。

50人近いgit/GitHubの勉強会でレクチャ

次は2です。git/GitHubの基礎を学んだ後「同じような初学者に対してワークショップを行うべし」という課題を課しました。これにはかなり苦戦した様子で、内容を固めてちゃんと解説しながら話せるようになるまで2〜3週間というかなりの時間を使いました。

ただ、弊社ではレクチャーやトレーニングをする都合もあり、「人前である程度自分の知識を伝える事ができる」というのは避けて通れない事です。自分なりの型を見つけるまでは時間がかかるものと辛抱して待ちました。これは正直私もキツかったです。

小さな場で試して手応えを得た後、50人近くが参加する大きめの場に出しましたが、見事にやり切ったのはかなり大きな成果でした。この晩二人で食べた肉の旨かったことは忘れる事ができない出来事です。

ちょっと今この勉強会は勢いを緩めに設定しています。 いろいろとトータルで考えた時にウェイトが下がってきました。

AWSの基礎

そして3。AWSは日常的に使えるようにならなければなりませんし、人に教える事も必要なものです。セミナー参加をさせて、VPSからEC2へのコーポレートサイトの引越しを課題としました。基本的な準備は自分で進めさせて、移行の当日だけ少し私が手を貸して無事に移行を終えています。その後、基本的な運用は彼が見ています。

インターン用のWEBの準備もお願いしたらアッサリこなせたので、このあたりはある程度身についたはずです。

AWSは奥が深いですが、少なくともEC2の扱いがわかる事から他の事もキャッチアップしてゆけるようになると期待しています。

Railsの基礎

さらに3。もともと弊社はJavaScriptやHTML5を積極的に活用する方針でしたが、今期私以外のメンバーが参加するにあたって、いろいろと頭を悩ませました。もともとJavaScriptの指導を私が行ったのがきっかけで入社してきたので、当然JavaScriptはある程度使う事ができます。

ただ、今後事業を進めてゆくにあたって、JavaScriptオンリーでのシステム開発はなかなか主流になりにくい事を危惧していました。よしんば今年うまくいったとしても来年、再来年とずっと安定して進めるのはちょっと難しいとも感じていたのです。

幸いスタートアップ系の会社やフリーランスの方とのお付き合いの多かった私の周囲では、かなりの割合でRailsが利用されていました。それに乗っかって、Railsを学ばせる事に決めました。

型通りにRailsチュートリアルを学ばせました。相当苦労したと思いますが、現在の日本のRails学習は文化として「どこかでRailsチュートリアルを苦労してクリアする」が通過儀礼のごとく存在している気がしています。その文化を共有するためにもあえて課題として与え、特に難しいポイントだけをフォローするようにしました。

この経験はその後の個別トレーニングのフォローの時に生きるようになります。Railsを学びたいという方はかなりの人がこのチュートリアルを進めるため(特にこちらで提示せずとも既に始めているような事が多いです。さすがデファクトスタンダードと感じます)、体験を裏付けにしたフォローができるようになったのです。

1、2ヶ月で自分のイメージできる処理ならある程度実現できるまでになりました。細かい点を突っ込むとボロが出るので、日常的に私のコードへのツッコミを受けていたのがこの時期です。「これは変数?メソッド?」などとネチネチやっていたのを覚えています。小さなサービス開発をして色々と確認した後、自社サービス開発を開始し、そのメンバーとしてGitHub-Flowを実践する事としました。基本的には細かく切り分けられたタスクをこなすスタイルなので、短期間で完了できる事は良いサイクルを作ったと思います。

CIの設定

CircleCIを少し触ってもらったら意外にフィットした様子で、苦労しながらも設定していく事はできそうだと確認しました。ボットとか作れるようになるともっと面白くなるので、そういう事も今後はチャレンジしてくれると良いと思っています。

Task Plannner

聞きなれない言葉かと思いますが、GitHubでの開発は「Issueを作成し、それをレビューしてマージする」という事が中心になります。リモートメンバーも含めた開発を行おうとすると、この中で「Issueを作成する」という部分が重要なファクターになります(Issueの粒度やアサインの仕方で開発のスムーズ感が変わります)。このIssue作成をして、タスクの関連を構築する仕事を弊社ではTask Plannnerと呼んでいます。

トレーニング卒業生の宮田さんはかなり書ける人になったので、彼とのコンビで小さな受託の案件を任せています。二人の相性は良さそうなので良い感じに進んでいるようです。もちろん見積もりや進捗のズレなどはあるので、あります。まぁ、ありますよね。

社会人的な何か。仕事人的な何か。

いわゆる新人研修のようなものを行わなかったので、業務の中で「E-mailの書き方@佐藤版」を教え込んだり(しばらく二人であえて仕事っぽいメールをやり取りしてみたりしていました)、人との会合の際の場所の確保や当日の案内等は積極的に任せたりしました。最近のホットなネタとしてはゲストと一緒にいる際の上座下座の意識や立ち居振る舞いでしょうか。最近は気にしない人もいますけれど、一緒にいる他人に対して基本的な礼は尽くせる人であって欲しいので、ポイントは抑えてもらうようにしていきたいです。

こういうところは、もしも私のところから去る日が来た時にも「最低限信頼される振る舞いのできる社会人・仕事人であって欲しい」と思うので、身につくようにしていきたいところです。あまり躾のような事は得意ではないので、私自身も伝え方を勉強しながらやっている部分があります。

最初はスキルを覚える事が多く全体的に伸び伸びやってもらいましたが、今後はもう少し報連相的な事を強く意識するなど、仕事をする社会人としてのあり方を得てもらいたいと思っています。

…困った事に、私にできていない事も見えたりして焦りますね。本当に私が「なっていない」ので胸が痛いです。ははは。

今の課題

ズバリ「さらなる速度」です。丁寧に仕事するタイプなので安心感はありますが、速度を取る時とのバランスであったり、求められるレベルに合わせたアウトプットを判断するところはまだ修行を要します。経験を必要とする内容が含まれるので新卒1年目でそこまでできたらバケモノですが、今の目標をそこに据える事で今後の成長が期待できると思っています。

速度を目指すのは、速度があれば解決する事がかなり多いと私が考えているためです。

  • 納期に遅れるのは速度が足らないからです。
  • アウトプットの質を高めるにはブラッシュアップの回数をこなすための速度が必要です。
  • 学習の量をこなすには速度が必要です。
  • 家に早く帰るには速度が必要です。

実際の速度だけではなくて「今何を最初に目指せば最低限の成果を出せるのか」を見極められると「見た目上の速度」が上がります。こういった、トータルの意味での速度を上げる事です。身につければ浮いた時間で学習量が飛躍的に増えるので、今よりももっと成長する速度が上がります。良いスパイラルを生み出す速度が課題です。

おしまいに

こうして列挙してみるとたった半年の間に、本当に多くの事を学んでもらえたと思います。

  • 何かうまくいかない事があって、それについて集中して考える際に新しい学びを得る
  • 要領よくなんでもこなすわけではないので失敗はする。けれども失敗について反省して一つずつ潰せる
  • 準備に時間はかかるが本番に強く、練習で得た蓄積を落ち着いてアウトプットする事ができる

という元々持っている特徴を、早期にお互いに認識した事で良い成長に繋がっていると思います。

私の役割は「今、足りていないものは何か」を認識させる係なので、今後もネチネチやっていこうと思います。パワハラじゃないですよ。たぶん。

内心を素直に書くと「人を育てる仕事をしているのに、社員一人満足に育てられないのか」と思われるのは辛過ぎるので、ここでもジックリと成果を出していきたいと思っています。